2025年9月から「AIモード」導入。Google検索はどう変わる?
2025/09/22
NEWS

Google検索に新たに「AIモード」が導入され、検索体験は従来の“青いリンク一覧を並べる”形式から、AIによる要約や推論を起点に、根拠リンクを辿りながら対話で深掘りできるスタイルへと大きく進化しました。
このAIモードは2025年に米国で本格展開が始まり、同年9月には日本語を含む複数の言語にも対応しています。
こうした変化は利用者の検索行動だけでなく、企業の情報発信やブランド戦略にも直接的な影響を与えます。
要約されても価値が伝わる一次情報の整備や、AIの回答に引用されやすいレビュー・サジェストなどの評判管理体制を見直すことが、今まさに急務となっているのです。
AIモードとは?
AIモードは、Google検索における「会話型・推論型の体験」を前面に打ち出した新しい検索モードです。
従来から提供されてきたAI Overviews(要約機能)を基盤に、より高度な推論や追質問による深掘りが可能になりました。
検索画面では、冒頭にAIによる要約や推論が提示され、その下に根拠となるウェブページのリンクが並びます。さらに追質問の候補も提示されるため、ユーザーは条件を加えたり視点を変えたりしながら、対話形式で結論に近づけます。一方で、従来通り「Webフィルター」を選択すれば、青いリンク一覧だけを表示するシンプルな検索体験も残されています。
Googleは、AI機能の導入によって長く複雑な質問や比較・計画といったクエリが増えていると報告しています。これまでは「名詞を並べるだけ」の検索が主流でしたが、今後は「質問文や指示文」として入力されるケースが一般的になると言われています。
ビジネスへの影響と対策:SEO/広告/評判管理
SEO
AIモード時代においては、要約されても価値が伝わる一次情報を持つことが最大の武器になります。
自社独自の調査データや事例紹介、FAQ、比較表といった「引用されやすい資産」を意識的に増やすことが重要です。さらに、How-to や FAQ、レビューといったスキーマを整備し、ページ構造を「課題→解法→比較→実行」の流れで整理すれば、AIによる理解度も向上します。
また、Googleビジネスプロフィールや公式サイト・SNSなどの情報を統一し、表記揺れや不整合をなくすことで、AIが誤って要約するリスクを減らすことにも繋がります。
広告
AI検索体験においても、広告は「Ads」として明確に表示され続けます。ただし、AIによる回答と広告が同じ画面上に並ぶため、従来以上に比較系や計画系のクエリに対応した広告クリエイティブが求められます。
ユーザーがAIの回答を参考にしながら広告を目にするケースが増えるため、ランディングページは「他社との違いが一目でわかる」「即行動できる」設計に最適化しておくことが重要です。
ブランド&評判管理
AIは複数の情報を組み合わせて回答を生成するため、誤情報や古い悪評が残っていると、それがそのまま回答に混ざり込み、ブランド全体の印象を損ねるリスクがあります。
このリスクを避けるためには、自社名・商品名・経営陣名などを常時モニタリングし、必要に応じて誤情報の訂正依頼や削除、逆SEOやサジェスト対策を継続的に行うことが不可欠です。
さらに、Googleクチコミや求人サイトでの評価改善も怠れません。
レビューの「量」や「鮮度」、そして「誠実な返信の質」は、単なる顧客対応という枠を超えた意味を持ちます。新しいレビューが定期的に増え、過去の投稿にも真摯な返信が並んでいれば、AIは企業を「信頼性の高い発信源」と認識しやすくなります。その結果、ユーザーに対してもポジティブで安心感のある印象を与えることができるのです。
まとめ
AIモードは、Google検索を「会話で解決する体験」へと進化させました。
勝つ企業は、AIに要約されても価値が伝わる一次情報を持ち、正確なブランド情報を整え、意図に合う広告やページで意思決定を後押しできる企業です。
一方で、誤情報や古い悪評を放置していると、AIによる回答を通じて継続的な機会損失に直結します。
まずは自社名や主要商品をAIモードで検索し、どのように要約されているかを確認することが出発点です。
