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#ハッシュタグでも名誉棄損になるのか?

2022/01/05

基礎知識

#ハッシュタグでも名誉棄損になるのか?

SNS上、特に最近ではInstagramは投稿のたびに#ハッシュタグをつけることは一般的です。
地名や店名、商品名だけでなく気持ちを記載したり特定のキーワードをハッシュタグ以降に記載することで投稿がタグ化され、同じキーワードでの投稿を検索することができたり、共通の関心を持つユーザー同士で話題を共有したりすることが可能です。

Twitterでのつぶやきが名誉棄損になることは明らかですが、ハッシュタグでも名誉棄損に該当するのでしょうか?

発信者情報開示の請求

原告はネット上の投稿につき、発信者情報開示を請求しました。

投稿は原告会社Aと原告の代表取締役であるBに対して十数回にわたり行われました。

「#企業名 #詐欺 #犯罪者」
「#代表名 #きちがい #薬物検査お願いします」など
違法行為や反社会的勢力との関与したとハッシュタグで記載をしました。

裁判所は、「氏名不詳者は、上記ような表現で、原告ないし原告の代表取締役であるBを誹謗中傷した」と、しています。

実際の判例

実際に判例で以下のような判決がでています。

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一般の読み手の普通の注意と読み方を基準にして判断すれば、本件各投稿は、原告の事業につき、客観的な根拠もなく詐欺、異常などと激しく批判し、また、原告の代表取締役であるX2につき、原告の事業と結び付けた上で、犯罪者とか、違法行為、犯罪行為、反社会的行為に関与したなどと度を越した誹謗中傷を重ね、さらに、原告と取引のあるB等の大手企業に対して原告との関わりを批判するなどした投稿を公開したものである。

東京地方裁判所2020年6月11日判決
△ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上記のような投稿は、企業や代表取締役の人格権及び営業権を侵害するもので
権利侵害の明白性が認められるとしています。

上項のような判決が出た場合、サイト管理者に対し発信者(=投稿者)の情報を開示することを命じることができます。

ネット上では個人に対する誹謗中傷という言葉が認知されてきましたが「#詐欺」「#犯罪者」というキーワードも企業などに損害を与えるワードです。
また、ハッシュタグを付けて閲覧者を増加させようという行為は悪質であり、発信者の情報が開示されると逃げられません。

実際に誹謗中傷をされたら

誹謗中傷を受けたり、個人名や電話番号などの個人情報が載せられたような場合は、当該サイトの管理者、もしくはサーバ管理者に削除依頼をしてみてください。
それでも難しい場合は、プロバイダ又は掲示板管理者に対し、これら誹謗中傷や個人情報の掲示を削除するよう求める仮処分申請を裁判所に申し立てるという方法もあります。

また、プロバイダ責任制限法に基づき、侵害情報の送信を防止する措置を要請したり、侵害情報の発信者を特定する情報を開示するよう求めることも可能です。

誹謗中傷や個人情報等が記載されてしまった場合は、自分で掲載内容を保存しておくほか、当該サイトの管理者に対してログの保存を忘れずにしておくよう依頼することも重要です。

プロバイダ責任制限法とは

ネット上の誹謗中傷が起きた際に、プロバイダの賠償責任に制限を設けること+発信者情報を開示することを目的とした法律が「プロバイダ責任制限法」。詳しく解説します。

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