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「いいね」だけでも賠償責任?

2024/04/22

NEWS

「いいね」だけでも賠償責任?

皆さんは日頃SNSを利用されていますか?
今回はX(旧Twitter)での「いいね」が、50万円以上の賠償責任にまで発展した裁判を解説していきます。

裁判の概要

2018年、自民党の杉田水脈衆議院議員はX上で、ジャーナリストの伊藤詩織さんを「売名行為」などと中傷する投稿25件に「いいね」を押したとされ、伊藤さんは名誉を傷つけられたとして220万円の賠償を求めて提訴していました。

2022年10月に高等裁判所は、杉田議員がネット番組などで伊藤さんの批判を繰り返していた中で、伊藤さんを中傷する多数の投稿に「いいね」したことから「名誉感情を害する意図があった」と認定。国会議員という影響力の大きさも踏まえ「社会通念上許される限度を超える侮辱行為」とし、55万円の賠償を命じました。

そして2024年2月、最高裁判所は不法行為が成立するとした二審判決を是認し、賠償を命じられた自民党の杉田議員側の上告を退ける判決を下しました。

今回の注目点

これまでSNSを巡っては、名誉毀損やプライバシー侵害にあたる投稿のリツイート(リポスト)で賠償が命じられた例は複数ありましたが、これに対し「いいね」は拡散力が弱く、今回の訴訟の一審判決が「非常に抽象的、多義的な表現行為にとどまる」と言及するなど、加害の意図がより認められにくい実態がありました。

その中で、SNSで他人の投稿に対する「いいね」が不法行為に当たるとの判断が最高裁で確定したのは今回が初めてとなります。
今後は自身の影響力や相手との関係、経緯などによっては「いいね」を押すという行為が侮辱に当たるとして賠償責任を負う可能性が生じることとなります。

まとめ

とはいえ、今回の判決は国会議員という立場やこれまでの発言など、複合的な要因が絡み合った結果です。
そのため、一般の人が「いいね」をしたからといって賠償責任に発展することは稀かと思われます。

しかし、誹謗中傷の根底に関わる問題として、人には『悪いことをした人には罰を与えたい』という意識があります。
炎上した個人を攻撃するのはよくないことだと、改めて肝に銘じたいですね。

過去コラム『鍵付きアカウント、通称「鍵垢」でも罪に問われるのか?』

X関連の誹謗中傷では、過去に非公開のアカウントでも問題になったケースがあります。

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